ベン・ルイス (著)、上杉 隼人 (訳)『最後のダ・ヴィンチの真実』
おすすめ 6
13万円で落札された絵画は、なぜ12年で510億円になったのか?
アートの価値は誰がどのように決めるのか、価値と値段は比例するのか――。
最後のダ・ヴィンチ作品の発見として注目を集め、その後、史上最高額の510億円で落札され話題となった男性版モナリザ『サルバトール・ムンディ』。
その謎に包まれた足跡を追う中で見えてきた美術界の闇。衝撃のノンフィクション!アートをとりまく桁違いの華々しさと、深い闇
この本には、中世の王侯貴族のコレクターたち、修復家、怪しげなディーラーから、現代の美術界の頂点から最下層にいる人びとまで、さまざまな個性的な人物が登場する。2005年に『サルバトール・ムンディ』を「発見」した美術商アレックス・パリッシュは、ニューヨーク近代美術館のギフトショップから美術の世界に入った、まさにその底辺にいた人物だった――。さながら「男性版モナリザ」をめぐるミステリー小説
ギャラリスト、オークショニア、コレクター、修復家、批評家、そしてタックスヘイブンにあるフリーポートを使って誰にも知られず密かに絵画を売買する超富裕層の存在――著者の筆はそれぞれの仕事の詳細や理想、葛藤、プライド、そして欲を残酷なまでに赤裸々に描き出す――510億円の「傑作」男性版モナリザに群がった欲望の先に見えたものとは。ダ・ヴィンチは自分の絵のたどった運命に満足しているだろうか
修復前の「大破」した状態の画像ほか、ダ・ヴィンチが『サルバトール・ムンディ』のために描いたスケッチや、弟子による複製画など、多数の貴重な画像をカラーで掲載。
特に、『サルバトール・ムンディ』の「修復」の各段階の画像を詳細に比較して見ることができるため、あまりの違いに驚愕するに違いない。果たしてこれは許される「修復」の範囲なのか、ぜひその目でお確かめいただきたい。【内容】
没後500年を経て関心が高まっているレオナルド・ダ・ヴィンチ。その幻の名画『サルバトール・ムンディ(世界の救世主)』は、100年ぶりに美術市場に現れた当初、わずか1175ドル(約13万円)で売買されたが、その12年後の2017年にクリスティーズのオークションで美術品としては史上最高額である4億5030万ドル(約510億円)で落札された。 ダ・ヴィンチ最後の個人所有作品であり長年行方不明だったその名画はどこにあったのか、誰が落札したのか、そもそも本当にダ・ヴィンチの真作なのか――謎に包まれた「男性版モナリザ」に世界が注目した。 1500年頃に制作されたこの小さなキリスト画が、1649年のイングランド王チャールズ一世処刑後、20世紀にアメリカの無名で善良な美術愛好家の手に渡り、そこから再び表舞台に登場するまでを詳細に追う。 「大破」していた作品を修復した結果、真作と判定され、所有者となったロシア人大富豪により再びオークションに出品、サウジアラビアの謎の人物に落札された「最後のダ・ヴィンチ」の陰には歴史・経済・政治も絡む推理小説さながら様々な人物・組織がうごめいていた!著者略歴
ベン・ルイス(Ben Lewis)
母国イギリスを中心に、著者、ドキュメンタリー・フィルム制作、美術評論などで活躍。著書に共産主義政権を揶揄した『ハンマーでくすぐる』(2008)、ドキュメンタリー・フィルムに現代美術について論じたテレビ・シリーズ『アート・サファリ』(2003~05)がある。
上杉隼人(うえすぎ・はやと)
翻訳者(英日、日英)、編集者、英語・翻訳講師。早稲田大学教育学部英語英文学科卒業、同専攻科(現在の大学院の前身)修了。訳書に『スター・ウォーズ』[全作、I~IX]『アベンジャーズ エンドゲーム』(共に講談社)ほか多数。
目次
プロローグ レオナルドの伝説
1 ロンドンへのフライト
2 埋もれた宝
3 感じる(、、、)!
4 青の手がかり
5 ヴィンチ、ヴィンチア、ヴィンセット
6 サルバトールのすり替え
7 復活
8 数多くの『サルバトール・ムンディ』
9 天上会議
10 地上最大のショー
11 おい、クックは手放したぞ
12 オフショアの偶像(アイコン)
13 一九分間
14 ニューオーリンズに一軒の家がある
15 砂漠に立ちのぼる蜃気楼
日本の読者の皆さんへ 『サルバトール・ムンディ』は今どこに?引用元:集英社インターナショナル公式サイト内『最後のダ・ヴィンチの真実』
東京造形大学ダ・ヴィンチ・プロジェクト (編著)、池上 英洋 (編著)『よみがえるレオナルド・ダ・ヴィンチ 作品復元プロジェクト』
おすすめ 7
内容
未完や欠損状態の絵画、巨大建築の設計図、機械や彫刻のデッサンなど、万能人ダ・ヴィンチが生前やり残したさまざまな「夢」を、500年後の今、現代のテクノロジーを用い完全な形で再現を試みた画期的プロジェクト。さらに、ダ・ヴィンチにまつわる長年の謎や議論について、そのあらましと興味深い最新知見を紹介。他分野の識者による考察も多くの示唆に富み、コンパクトながら類のないダ・ヴィンチ入門書。
著者プロフィール
東京造形大学ダ・ヴィンチ・プロジェクト
1966年、固定概念にとらわれない柔軟な発想と時代を見据えた広い視野に立った高度な美術・デザイン教育をめざし創設された東京造形大学。ここに集う学生と教員たちが2019年に立ち上げたダ・ヴィンチ作品の復元計画にもとづく一連の活動とそれに携わったメンバーを示す総称。代表を同大学教授の池上英洋と准教授の藤井匡が務める。
池上 英洋
1967年広島県生まれ。東京藝術大学大学院修了。東京造形大学教授。美術史家。日本文藝家協会会員。著書に「神のごときミケランジェロ」「あやしいルネサンス」など多数。
引用元:東京美術公式サイト内『よみがえるレオナルド・ダ・ヴィンチ 作品復元プロジェクト』
渡辺 怜子『レオナルド・ダ・ヴィンチの食卓』
おすすめ 8
何を好んで食べたのか.万能の天才を主人公に,彼が生きた時代の食と文化を探訪する楽しいエッセイ.
レオナルドはどんな食事をとっていたのか.好みの料理は.ベジタリアンであったという説は正しいのか.彼は日記を遺していないため,手がかりになるのは,膨大な「手稿」(ノートの類)や買い物メモ.万能の天才を主人公に,彼が生きた時代の食と文化を探訪する楽しいエッセイ.現在でも復元できる料理のアレンジレシピ付き.
■著者からのメッセージ
この本は,「レオナルド・ダ・ヴィンチが食べていたもの」を知るために,彼の残した手稿(手帳)から食材が出てきそうな部分を渉猟し,これは,と思ったものを取り上げ,クンクン匂いをかいでみたら……という話です.これらの手稿はレオナルドが身辺において,たえずメモしていたものですが,彼は記録魔のくせに,食べ物については「何がおいしかった」とか「今日何を食べた」とかは一切書いていないのです.
ある年の夏ドイツでバスに乗っていたとき,乗り込んできた旅行者の一群が,すぐに大声で食べ物の話を始めたので,ああイタリア人だ,とすぐ判ったけれど,自分のことでもないのにやや恥ずかしい気がしました.また,レストランで食事をしながら,今夜は何を食べようかと平気で話すのもイタリア人です.日本でそんなことをしたら,おなかが一杯のときに食べる話なんかしないでくれ,と怒られたことがあります.それほど食べ物の話が好きなイタリア人の中にあって,レオナルドはなんと上品な人かと思ってしまいます.
しかし,レオナルドが食事と健康にまったく関心がなかったわけではないのは,彼の蔵書の中に,食に関する書籍が2冊あることで分かります.それを読むと,ルネサンス時代の人々がどんな料理を食べていたか,体や病気についてどんな考えを持っていたかを知ることもできます.本書の付録として紹介しました(全訳ではありませんが).
そしてレオナルドがワインを愛用していたことは疑いの余地がありません.ぶどう園の栽培についての手紙を管理人に送っているし,朝のワインを買った記録もあります.
私は空想の食卓は書きませんでした.彼の手稿に書き残されていることだけを書きました.しかし読者の皆さんは十分空想なさってください.その鍵はこの本の中から見つけられるでしょう.
(渡辺怜子)■編集部からのメッセージ
著者・渡辺さんは大変な凝り性で行動派です.この本のために,レオナルドの出身地・ヴィンチ村はもちろん,貴重な資料の現物が見られるとなれば,何度イタリアに赴かれたか.ルネサンス時代の料理の再現イベントがあるとなれば,実際に食べに行く,メモをとる,料理の写真をとる.そして,さまざまな文献にあたり,訊きたいことがでてきたら,日本・イタリアを問わず,直接メールで連絡をとる,面会する.関心は料理にとどまらず,食材そのものへも向かい,プリニウスの『博物誌』を筆頭に,植物,穀物,肉,魚……,飽くなき好奇心で調べておられました.
当然にして,予定よりも大幅な原稿枚数オーバーで,「気楽に読めるエッセイ」を目指したからには,編集作業はもっぱら「削る」方向でご苦労をおかけしました.
エッセイにしてはがっちり調べてあれもこれもと盛り込まれているので,寝ころんで読めるようなものにはならなかったかもしれませんが,合間合間にかいま見えるユーモアと探求の楽しみを共有していただければ,こんなに嬉しいことはありません.
なお,カバーを飾ったのは,レオナルドその人が手稿に手すさびで描いた(らしい)美しい絵です.
(編集部 田中朋子)目次
はじめに――なぜ「レオナルド・ダ・ヴィンチの食事」なのか
レオナルドの生い立ち
レオナルドの手稿について
食材を探す旅
レオナルドの蔵書
「解剖手稿」を読む
ポントルモの日記から
ミケランジェロの食生活
ルネサンス時代の旅理
「最後の晩餐」の皿の上
アンボワーズの館
参考文献
あとがき
[付録]
レオナルドの蔵書から『サレルノ学派の養生訓』
レオナルドの蔵書から『佳き生活と健康』
ルネサンス料理の再現著者略歴
渡辺怜子(わたなべ れいこ)
1929(昭和4)年,東京生まれ.イタリア料理研究家,エッセイスト.1960年代よりイタリアとの交流を深める.著書に,『フィレンツェの台所から』(晶文社,のちに文春文庫),『オリーブを摘む夕暮れ――フィレンツェの食卓から』(晶文社,のちに角川グルメ文庫),『イタリア 出会いの街,思い出のレシピ』(TOTO出版),訳書にアントニオ・グラムシ『父から子どもたちへ』(晶文社),グァルティエーロ・マルケージ『新しいイタリア料理』(三洋出版貿易),ヴィンチェンツォ・ブオナッシージ『パスタ宝典』(共訳,読売新聞社)などがある.引用元:岩波書店公式サイト内『レオナルド・ダ・ヴィンチの食卓』
ジョルジョ・ヴァザーリ (著)、林 卓行 (監訳)、チャールズ・ロバートソン (解説)、神田由布子 (訳)、その他著者『レオナルド・ダ・ヴィンチを探して』
おすすめ 9
解説:
ルネサンスが生んだ天才芸術家の生涯を、ヴァザーリによる評伝や、レオナルド自身の手記などから多角的に浮かび上がらせる!”Artist by Artist” シリーズについて
日本で知名度が高く人気のある芸術家の生涯と作品を、同じく知名度のある同時代の執筆者が描く。貴重なカラー図版満載で紹介するシリーズ。
美術史上の巨匠たちについて解説した本は数多くあるが、そのほとんどは現代の美術史家、評論家が書いたものである。
本シリーズは、そのような巨匠たちを同時代人や身近で観察してきた人物たちが描いたものであり、対象である芸術家について知ることができると同時に、当時を知る者たちの肉声を聞くような、歴史的に貴重な証言にもなっている。
また、カラー図版を多数掲載し、判型はハンディなので、読みやすく持ち運びもしやすい。
内容も古くなることはなく、巻頭に現代の第一人者による序文があるので、定着した美術史上の評価・解釈を知ることもできる。著者情報
林 卓行(はやし たかゆき)
東京藝術大学芸術学科准教授。美術批評、美術理論研究。1969年生まれ。東京藝術大学卒業後、同大学院博士後期課程単位取得退学。専攻は20世紀後半のアメリカを中心とする現代美術研究。
主な著書に『ウォーホル 西洋絵画の巨匠9』(2006、小学館)、共訳書に『ART SINCE 1900 図鑑1900年以後の芸術』(2019)、監訳書に『ミケランジェロ・ブオナローティの生涯』(2020、以上、東京書籍)などがある。著者情報
ジョルジョ ヴァザーリ
イタリアのマニエリスム期の画家、建築家。ミケランジェロの弟子。
チマブーエからミケランジェロまで芸術家133人の作品と生涯を記した評伝『画家・彫刻家・建築家列伝』を著し、「美術の父」とも称される。
また、ウフィッツィ宮殿(現ウフィッツィ美術館)を手掛け、この建物とピッティ宮殿を結ぶ「ヴァザーリの回廊」にその名を残す。引用元:東京書籍公式サイト内『レオナルド・ダ・ヴィンチを探して』
斎藤 泰弘『レオナルド・ダ・ヴィンチ ミラノ宮廷のエンターテイナー』
おすすめ 10

ル ネサンス期の天才、レオナルド・ダ・ヴィンチ。
芸術家、科学者として有名な彼だが、その素顔は人嫌いで、生涯、鏡文字を使い、若いころは未完作品ばかりで、実力はあるけれども「画家失格」の烙印を押されるほどであった。
そのレオナルドが、軍事技術者として自らを売り込み、君主の権謀術数の手先として壮大な宮廷イベントの総合演出を取り仕切り、さらに『白貂を抱く貴婦人』『美しき姫君』『最後の晩餐』などの名画を作った約20年間のミラノ時代の活躍を検証する。
同時に彼の残した手稿から、天才の秘めた闇の部分も描き出す。彼は多くの点で異常な人間であると思う。
天才的な直観力、豊かな想像力、卓越したアイデア、頭脳の明敏さ、驚くべき集中力など、褒め言葉はいくらでも思い浮かぶ。
だが、それと同時に暗い面での彼の異常さも目につく。社会との奇妙な隔離意識と、善悪の彼岸に立ってこの世を眺めているような態度、密かな孤独癖と、愛想のよさに隠された厭人癖などである。本書の狙いは、ある意味でレオナルドという偉大な偶像を破壊することであり、彼を「万能人」とは「時代を超越した天才」としてではなく、われわれと同じ弱点、いや、われわれよりはるかに大きな人間的弱点を持つ人間として捉え直すことであった。
──本書より抜粋
【著者プロフィール】
斎藤泰弘(さいとう やすひろ)
一九四六年、福島県生まれ。京都大学名誉教授。専攻はイタリア文学、イタリア演劇。
『鳥の飛翔に関する手稿』(谷一郎、小野健一との共訳)で第3回マルコ・ポーロ賞受賞。
レオナルド・ダ・ヴィンチの手稿研究の第一人者で、著書に『レオナルド・ダ・ヴィンチの謎 天才の素顔』(岩波書店)、『ダ・ヴィンチ絵画の謎』(中公新書)、『誰も知らないレオナルド・ダ・ヴィンチ』(NHK出版新書)がある。引用元:集英社公式サイト内『レオナルド・ダ・ヴィンチ ミラノ宮廷のエンターテイナー』
次ページに続きます。


