今更聞けない、『示談』『起訴』『不起訴』『有罪』『無罪』についてズバリお答えします。過去に何かしらやらかしてしまった有名人・著名人がやらかした事象・事案・問題で、「示談が成立」「不起訴」などの文言を用いて説明をされる方がいます。対外的なことで事務的な作業の一環であると認識していますが、『無罪』とは異なるので、あえて、補足をさせていただきます。俳優の吉沢亮さんが不起訴になった件、お笑いコンビ『ジャングルポケット』の元メンバーの斉藤慎二氏が不同意性交と不同意わいせつの罪で在宅起訴になった件など。
『示談』『起訴』『不起訴』『有罪』『無罪』の文言が気になっている方必見です。
『示談が成立』『不起訴になりました』『無罪』との違いは?
「やらかした方が『示談が成立しました』『不起訴になりました』とメディアやSNSを通じて発表されることがありますが、『無罪』とは違うことをご存じですか?」
やらかした方が『示談が成立しました』『不起訴になりました』とメディアやSNSを通じて発表されることがあります。報告することは、ファンの皆様に対しても、仕事関係のみなさまに対しても必要なことですし、発表することも、発信することも自由なので、お好きにされれば良いと思います。ただ、専門家でない人がこの報告を聞くことで勘違いが生じるとよくないと思いましたので、あえて、追記をさせていただきます。
『示談』『起訴』『不起訴』『有罪』『無罪』とは?
「示談、起訴、不起訴、有罪、無罪とはどのようなことですか?」
この頃、過去にやらかしてしまった有名人・著名人が、「示談が成立」「不起訴」などの文言を用いて説明をされる方がいます。報告はとても大切なことなのでするべきだと思います。
示談、不起訴、無罪は、それぞれ、まったく異なるので、有名人・著名人が『示談が成立しました』『不起訴になりました』と言っている場合は、その中身まできちんと説明しなければなりません。
有名人・著名人がこのようなケースに遭遇したら、記者会見を開いて説明する必要があると思います。
示談、起訴、不起訴、有罪、無罪の順でご説明します。
『示談』『和解』『示談が成立』とは?
「『示談』『和解』『示談が成立』とはどのようなことですか?」
『示談』とは?
『示談』
示談というのは、民事上の『和解』を意味します。
当事者間で話し合い解決することです。
示談に至るということは、当事者間で何かしらの問題点、争いごと、揉め事、トラブルなどが存在し、最終的な解決策の一つとしてこのような手段があります。
示談というと、必ず金品が発生するようなイメージがありますが、必ずしも、そのようなケースばかりではありません。話し合いを行い、問題点(争いごと、揉め事、トラブル)が解決して、金品の支払い義務などもないことを双方が確認し納得すれば、とくだん、金品を支払ったり、金品を受け取ったりすることはありません。
『和解』とは?
『和解』
和解は争いをやめて話し合いの内容に合意する。ないしは、争いをやめて仲直りすることです。
つまり、当事者間で、争いごとや揉め事がなくなったことを意味します。
『示談が成立しました』とは?
『示談が成立しました』
示談が成立というのは、当事者間で争っていたことが話し合いで解決し、話し合いあった内容にお互いが譲歩し、話し合いの内容で合意に至ることです。
このようなケースでは、通常は示談書を作成し、当事者は記名押印または署名押印します。
いくら示談が成立したからといって、先日まで、争ったり、揉めていたという事実を消すことはできません。何かやらかすか、何かされない限り『示談』ということを経験をすることはありません。
『示談』に行きつくと言うことは、自分が相手に何かをした、ないしは、相手に何かをされ、そのことによって、争い、揉め事、トラブルとなったということです。
自分がやらかしたケースの場合、よほど、気分を引き締め態度や行動を改めないかぎり、また、別の争いや揉め事が発生するかもしれません。
『示談書』とは?
『示談書』
示談書とは当事者間で話し合ったことや合意したことなどをまとめた書類です。通常は書面にすることが一般的です。
示談が成立すれば、通常は示談書を作成し、当事者の記名押印または署名押印します。別途、守秘義務契約書、機密保持契約書などを追加する場合もあります。そのあたりは、ケースによって異なります。
示談や和解になっても、これまでの当事者間の問題点(争いごと、揉め事、トラブルなど)が完全に消え去ったわけではありません。過去を消せるわけではありませんので、過去に当事者間で示談や和解に至るようなことがあったことは一生消えません。示談書に書かれていることは当事者間で守っていかなければ、また、あらたな、問題点が発生するかもしれません。そのあたりは、お互いに気を引き締めて行動していく必要があると思います。
『起訴』『不起訴』とは?
「『起訴』『不起訴』とはどのようなことですか?」
『起訴』とは?
起訴というのは刑事事件において用いる言葉です。
『起訴』
裁判の開廷を提起することです。つまり、正式な裁判を求めることです。
ドラマや映画などでも聞いたことが1度はあると思うのですが、『日本の刑事事件で起訴された場合、有罪となる確率は約99.9%』と言われています。つまり、起訴になるとほぼほぼ有罪となるのです。
『不起訴』とは?
不起訴というのは刑事事件において用いる言葉です。
『不起訴』
起訴にはならないということです。つまり、裁判に至らないことを意味します。
起訴になるとその後、裁判という流れになりますが、不起訴になると、裁判には至りません。
起訴、不起訴というのは、大きな違いがありますので、有名人・著名人が『不起訴になりました』と言いたくなるのも無理はないのです。
『不起訴になるケース』とは?
不起訴になるには、次のようなことがあります。
不起訴になるケース
・嫌疑がない
・嫌疑が不十分
・罪とならない
・その他
不起訴と言ってもさまざまあるので、不起訴の内容などはとても重要です。嫌疑がない場合と、嫌疑はあるけれど証拠が不十分な場合があったり、ケースがさまざまあります。
『刑事事件が発生したときのその後の一般的な流れ』とは?
刑事事件が発生した場合、次のような流れになります。大まかな流れです。事件の内容によって、フローの順序が前後逆になることもありますし、フローが単純化することも複雑化することもあります。事件の内容によりさまざまですので、注意が必要です。
- 順序1事件発生
事件の内容によって、警察が必要だと思ったら逮捕、すぐに逮捕までしなくても良い場合は、在宅のまま捜査します。
- 順序2書類送検
警察の方で捜査を終えて、捜査資料などを検察官へ送ることです。
- 順序3起訴、ないしは、不起訴
起訴は裁判の開廷を提起することで、不起訴は起訴しないことを意味します。
- 順序4裁判
起訴された場合は裁判となります。
- 順序5判決
裁判所で最終的な判断(判決)を行います。有罪、ないしは、無罪のいずれかとなり、有罪の場合、中身の説明があります。例えば、死刑、懲役、禁固、罰金などとなる場合、懲役の場合執行猶予が付く場合があります。
- 順序6刑事事件終了
刑事事件は終了します。
ここ最近、テレビの中で、起訴報道、不起訴報道がありましたので、そのことについて述べたいと思います。
俳優の吉沢亮さん不起訴報道
「俳優の吉沢亮さんの不起訴報道とはどのようなことですか?」
2024年12月30日に東京都港区の自宅マンションの隣の部屋に侵入し、警視庁に書類送検されていました。
先日、2025年3月31日に、俳優の吉沢亮さんが不起訴になったと報道がありました。ただ、不起訴の理由については明らかにされていません。不起訴になったのであれば、不起訴の理由や何をしたからそこまでのことに発展してしまったのか、理由を説明しなければ、世間は納得しないと思いますし、仕事関係のみなさまは不安のままだと思います。
吉沢亮さん、あなたは大人なのですから、記者会見を開いてきちんと自分でやらかしたことを自分の口で説明をするべきだと思います。そうしなければ、信頼の回復もしないと思いますし、人には信用されないと思います。過去は消せません。やったことは消せません。不起訴になっても、不起訴に至った経緯・経過は消せないのです。あなたは腹をくくって、記者会見を開いてきちんと自分で説明をするべきです。所属事務所のチカラをかりて、この危機を脱出しようと思っているのかもしれませんが、今の芸能界、昔ほど、簡単に復帰やカムバックできなくなりました。昨今のテレビを見ていればそのことは明確です。これからの人生で思い知ることになるかもしれません。
不起訴となった場合、不起訴の理由はとても重要です。
お笑いコンビ『ジャングルポケット』の元メンバーの斉藤慎二氏が不同意性交と不同意わいせつの罪で在宅起訴報道
「お笑いコンビ『ジャングルポケット』の元メンバーの斉藤慎二氏が不同意性交と不同意わいせつの罪で在宅起訴さとはどのようなことですか?」
2024年7月30日午前、東京都新宿区内に駐車していたロケバスの車内で、ジャングルポケットの元メンバー斉藤慎二氏は、テレビで共演予定だった20代の女性に対し、ロケバスの中で女性の胸を触ったほか、午後にも性的暴行をしたとされる。
警視庁は2024年10月7日に書類送検。
先日、2025年3月26日に、お笑いコンビ『ジャングルポケット』の元メンバーの斉藤慎二氏が不同意性交と不同意わいせつの罪で在宅起訴されました。
このケースでいうと、起訴されていますので、通常は、今後、裁判となります。
日本のドラマで聞いたことがあるかもしれませんが、日本の刑事事件で起訴された場合有罪となる確率は約99.9%と言われています。
斉藤氏は、2023年8月~9月 2度の不倫を週刊誌が掲載され、一連の報道内容について事実と認め、謝罪をしています。過去のことも含めて、調査をしなければ、何人の人が傷つき、どれだけの人が苦しんでいるのか、全貌はわからないのではないでしょうか?
起訴されたら終わり?というのは、それは、古い大人の考え方です。起訴されても、調査の必要はありますし、起訴されているのは、ロケバスの件だけです。元所属事務所やロケバスを手配した制作会社(テレビ局)などはきちんと調査をしてください。
『有罪』『無罪』とは?
「『有罪』『無罪』とはどのようなことですか?」
刑事事件で裁判となる場合、最終的な判決がでて、有罪、ないしは、無罪が決まります。
『有罪』とは?
『有罪』
被告人の罪が認められた場合(犯罪の成立が認められた場合)です。
有罪の場合、様々なケースがあります。
例えば、死刑、懲役、禁固、罰金などとなる場合、懲役の場合執行猶予が付く場合があります。
『無罪』とは?
『無罪』
被告人の罪が認められない場合(犯罪の成立が認められない場合)です。
『示談』『和解』『無罪』『刑事捜査』などのキーワードについて書かれた書籍の中でおすすめ5選
『示談』『和解』『無罪』『刑事捜査』などのキーワードについて書かれた書籍の中で私が読んで良かったモノおすすめ5選をご紹介します。
独断と偏見で選んでいます。予めご了承ください。
すぐに役立つ 本人でも出来る 示談・和解・民事調停の手続きと実務書式サンプル46
おすすめ 1
本書では、示談や和解(即決和解、訴訟上の和解)、調停についての仕組みや手続きをわかりやすく解説し、トラブルごとに書式を46例掲載しているのが特徴です。
商取引、職場トラブル、自己、賃貸など様々なケースをとりあげ、調停申立書を中心に、示談書、労働審判や個別労働あっせん、特定調停、借地非訟などの申立書を掲載しました。引用元:三修社公式サイト内『すぐに役立つ 本人でも出来る 示談・和解・民事調停の手続きと実務書式サンプル46』
無罪請負人 刑事弁護とは何か?
おすすめ 2
弘中 惇一郎弁護士は『無罪請負人』という表現で呼ばれることがあります。
先ほど、日本の刑事事件で起訴された場合有罪となる確率は約99.9%と説明しましたが、その現実はこの本に書かれています。
刑事裁判の有罪率99.9%が示す日本の恐ろしい現実とは
多くの著名事件を手がけ「無罪請負人」の異名を取る辣腕弁護士が、日本の刑事司法の問題や特捜検察の腐敗ぶり、世論を真実から遠ざけるメディアの問題点などを提起する。引用元:KADOKAWA公式サイト内『無罪請負人 刑事弁護とは何か?』
刑事捜査の最前線
おすすめ 3
刑事ドラマの裏もよくわかる!
30年を超える記者生活で警察庁・警視庁・大阪府警をはじめ全国の警察に深い人脈を築き、重大事件を追ってきた記者が明らかにする刑事捜査の最前線。
・1990年の「1000人に1.2人」から「565京人に1人」の精度へ、格段の進化を遂げているDNA鑑定
・初動で圧倒的な力を発揮する防カメ捜査
・長く「客観証拠の王様」として君臨し、いまでも重要度は下がらない指紋鑑定
・サリン事件でも和歌山カレー事件でも威力を発揮した毒物捜査
・取調刑事はどのように容疑者に真実を語らせるのか
・近年言われる取調力の低下の理由とは
・近年苦戦する汚職捜査にどう対応するのか
・神戸連続児童殺傷事件を早期解決に導いた指揮官の勘。
・工藤会壊滅作戦
・新たな犯罪として登場し、増殖・変化を続ける特殊詐欺、さらには「リュウドウ」にどのように立ち向かうのか。甲斐竜一朗/Kyodo News
引用元:講談社(KODANSHA)公式サイト内『刑事捜査の最前線』
逮捕手続の実務
おすすめ 4
本書の内容
逮捕の現場や,その前後の手続で生じる疑問を想定して事例を設定。警察官がどのように対処するべきか,解決の指針を示す。多数の判例に言及しながら,Q&A形式で明快に解説。本書のポイント
●逮捕の現場で生じる「迷い」を解決!
逮捕の現場や,その前後の手続で生じる疑問を想定して,事例を設定。それに対して警察官がどのように対処するか,解決の指針を示す。●逮捕手続に絞った110事例を厳選!
緊逮,現逮,通逮はもちろん,任意同行,令状請求,逮捕に伴う捜索・差押え,引致等まで,110事例でカバー!●現役検事が,現場での活用を目的として執筆!
現役検事が具体的事例を設定し,多くの判例に言及しながらQ&A形式で解説。各設問において結論を明示しているため,明解で理解しやすい。引用元:立花書房公式サイト内『逮捕手続の実務』
エクササイズ刑事訴訟法 第2版
おすすめ 5
司法試験の長文事例問題を想定した演習書の改訂版。新たに2問を追加した全18問の事例問題を通じて,事案に含まれる問題点を発見し,適切な法規範を用いて,事案から抽出した具体的事実をあてはめ結論を導く実践力を磨く。
引用元:有斐閣公式サイト内『エクササイズ刑事訴訟法 第2版』
まとめ
今更聞けない、『示談』『不起訴』『無罪』についてズバリお答えしました。
【『示談』をチェックする】
【『不起訴』をチェックする】
【『無罪』をチェックする】
【『ズバリお答えします』に関する記事一覧】
【『刑事事件』に関する記事一覧】
